大三島に移住した某薬剤師の脳みその中

生き物らしく生きたい!と思い大三島へ。毎日が冒険。

美容院が絶望的に苦手だ、という話。

美容院が絶望的に苦手です。

 

 

 

ドライヤーだけでも大嫌いなのに(耳元でゴー!って音がするとか、苦行以外何でもないと思う)、「アテクシ美容には気を付けてますことよ」「流行の最先端ですのよ」「美意識エベレストですのよ」な雰囲気がもう、とにかく無理。

 

アシンメトリーで人生のバランスまで崩していそうなお兄さんとか、ツートンカラーのキノコのお姉さんとか、不思議の国から来たようなスタイリストさんたち(失礼!)から「この髪型似合いますよ!」とか勧められてもマジ信用できん、きっと不思議の世界に引き摺り込もうとしてる。

オシャレヒゲのセミフォーマルおじさんとか、コンサバ系ナチュラルお姉さんとか、そういうスタイリストさんもいるけれど、きっと彼らも実はマッドハッターの弟子とか、ハートの女王の子分とかだと思う。(個人の感想です)

 

「ボタニカルでオーガニックだから無条件で髪にいい!」とか「水素水でうるおいUP」とか非科学的なことを次から次へと息吐くように言う感じも無理。その吐息で何人の諭吉さんを誘拐してきたんだ?「学問のすすめ」読んだ?

 

そもそも、美容院にて「あーしてほしい」「こーしてほしい」と伝えるのがとにかく恥ずかしい。
美意識エベレストワールドで、不思議の国の住人に、消しクズみたいな顔した私が「春っぽい明るいカラーで、抜け感あるゆるふわミディアムボブにしてほしい」とか言うんでしょ。いやー、無理無理。舌が裂けても言えん。絶対に言えん。誰かの命がかかったり、大金を積まれたら言うけど。そうでもない限り言えん。

 

ところが人間とは愚かなもので、「あの女優さんの髪型素敵」とか「思い切ってベリーショートにしてみたい」とか、そういう浅はかな望みが少なからずあるもの。

結局、毎回そういったものはすべて胸の奥にしまうものの、言えなかった歯痒さと、言って事故にならなかった哀しい安堵感と…「美容院」と聞くとその辺のしょっぱい思いが胸の水分を奪っていくような感覚がするのです。

 

かくして、「全体的にひとまわり短く整えてください。」という便利な魔法の呪文をいつ頃からか唱えるようになったものの、「そうですか…んー、少し毛先軽くしますか?」とか「前髪は長めに残しますか?それとも短く切ります?」とか言われたときには無事爆死。
テンパりながら「そうですね、軽くしてください。」とか「残しておきます。」とか答えるものの、出来上がった姿を見ても何が軽くて何が残ってるのか不明だし。

 

 


そんなこんなで髪を切るのに毎回ハゲるほど悩むのです。

いっそのこと丸ハゲになってくれたら美容院に行かなくていいのに。
例の呪文を練習しつつ、頭の中の想定問答集をひたすらめくり…もう嫌だぁ!!!

 

結局、毎回10分カットに行ってしまう。

単純に「その場にいたたまれないから、時間が短ければ短いほどマシ」という理由で。

それでも100mダッシュぐらい心臓が暴れる。

 

 

 

ヘアドネーションの時は良かったなぁ…目的がはっきりしてたから、それだけクリアできれば充分だったし、だからこそわりとリラックスして美容院に行けた。

あんなに「美容院に行くぞー!」と前向きに思えたことって、ない。

出来上がった姿も「おおー、短くなった部分が寄付されるのね!」という満足感があった。

 

 

 

私が美容院に望むサービスは「あなたも一緒に登ろう!美意識エベレストの登り方講座」ではなく「プロ登山家から見た事故らないルート取り(登山しない選択肢も含む)」だったりするのです。

 

「フォーマルでも浮かない」「肩につかないか、一つにくくれる」「パーマしない」「手入れは極力したくない」「エラが張ってる」とか、キーワードや問診票の答えをスタイリストさんにあらかじめ送っておいて(必要ならば写真も)、私がお店に行く前に勝手に髪型を決めておいてくれないかなぁ。


消しカス顔の美意識ゼロの人間が変にイメージ膨らませて人前で腐った甘い夢を吐くようなセルフ公開処刑をしなくていいだけ幸せなんだがなぁ。