大三島に移住した某薬剤師の脳みその中

生き物らしく生きたい!と思い大三島へ。毎日が冒険。

ゲストハウス近況《更地⇒棟上げ編》とゲストハウスって何だ?という問い

さてゲストハウスの近況ですが…

めっちゃ進んでいます!

 

どれぐらい進んでいるかというと…

 

before

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こんな更地から…

After

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こんな立派な建物が育ってきました!!

すごい!!早い!!

 

改修予定物件の壁をはがして調べたところシロアリなどにやられてすっかりボロボロになっているのが判明したのが昨年の秋。

ひとまず解体を、ということで更地にしてもらったのが昨年の冬。

解体と同時に予定を改修から新築へと路線変更し、建築士さんたちに希望を伝えて新規で設計をしてもらい、こんな感じで行こう!となったのが今年の春。

 

いったん決まってしまえば工事は早い!

4月に基礎工事、大工工事がそこから始まって、5月中旬には棟上げです。

職人さんたちの働きぶりには脱帽するばかりです。

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基礎工事の風景。捨てコン(基礎のさらに下に設ける無筋コンクリート)という単語を覚えました。テストに出ますよ!

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土地が低めなので高めに基礎を作ってもらいました。

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奥に見える大きな車はコンクリートポンプ車。シン・ゴジラヤシオリ作戦だ!!と夫婦してはしゃいでいました。

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枠をはずすとこんな感じ。なんとなく部屋割りが見えてきます。

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ここからはちまちまと私ら夫婦もお手伝い。木材塗装をしています。自然塗料を使用。とってもいい香り!

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大工工事開始!基礎の上にどんどん柱を立てていきます。

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大工さんたち、高いところもヒョイヒョイ登っていきます。屋根の土台ができると一気に建物感UP!

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気持ちの良いお天気のもと上棟式を執り行うことができました。餅撒きではご近所さんにもたくさん集まっていただき、楽しんでもらえたようでよかったです。

ここからは建物内部の構造を作ってもらったり、屋根を張ってもらったり、壁を塗ってもらうことになります。

 

 

ばっちり建物が育ってきているこのタイミングで今更なんやねん、という感もありますが、ゲストハウスって何だ?と改めて考えてみたいと思います。

いや、ほんま、建物の細かい造作をどうする?備品をどうする?資金繰りをどうする?…などと目先のことをやっているとだんだん「ゲストハウスって何だったっけ?」ってなるんですよ…。

このへんで一度頭の整理整頓!

 

いくつかの視点からゲストハウスというものを見てみると…

 

視点1)法律の定義

日本の旅館業法における簡易宿所簡易宿所営業」すなわち「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のもの」(旅館業法2条4項)を行う施設

そもそも営利目的であることは大前提です。

ウチもゲストハウス業で家族を養っていかなくてはなりません。

なので、きちんと法律を守ってしかるべき設備を整え、対価を得ることができるサービスを提供する必要があります。

ゲストハウスにおいて特徴的なのはドミトリーですが、これは法律の定義上、ある意味「なくしたくてもなくせない構造」とも言えます。

すべて個室にしてしまうと法律上のカテゴリが旅館・ホテルになってしまうため、施設基準もぐんと厳しくなり、一般人の資本で新規に作る事は難しいですし、通常複数の従業員を雇う必要がでてくるので安価なサービス提供も難しいと考えられます。

(平成30年に政令が変更になり、旅館・ホテルの最低客室数の基準が廃止されたので、今後違った形の旅館・ホテルが出てくるかもしれませんが…。)

逆に言えばこのドミトリーという構造はホテルや旅館にはないもの…というわけで、いかにこのドミトリーという構造を特徴づけるかが肝になるとも言えます。

 

視点2)旅行の変化

人数:

(以前)職場や所属団体の人、あるいは家族と。比較的大人数。

⇒(現在)パートナーや家族、気の知れた友人と。比較的少人数。

目的:

(以前)有名観光地散策、温泉、宴会、豪勢な会食、カラオケ、団体写真撮影、名産品やお土産購入などに限られていた

⇒(現在)ありとあらゆることに多様化(なんなら「気分のいいところで仕事をするため」など、今まで考えられなかったような目的で旅行をする人も大勢います。)

 

比較的少人数にしか対応できないものの、「宿泊する」という機能を最低限果たし、その他は自由にプランニングできるゲストハウス形態はある意味「時代のながれ」をよく反映しているものかもしれません。

 

視点3)ゲストハウスの得意・不得意

得意:

ホテル・旅館に比べて安価なサービス提供

自由なプランニングに対応

1:1のコミュニケーション

不得意:

食事提供

物理的にリッチなサービス(館内温泉、建物、調度品、送迎など)

大人数の同時対応

 

ほかにもいろいろありますが、得意・不得意をよく理解した上でそれをどのように生かすか、対策していくかを考えていく必要があります。

 

視点4)今後の外部環境

追い風:

少人数・多目的旅行が主流であることが続きそう

インバウンド増加の可能性

地域の活性化が感じられる(大三島・しまなみエリアにおいて)

逆風:

国内旅行人口減少

デフレ、さらなる低価格競争の激化の可能性

宿泊業界での淘汰激化の可能性

 

ざっくりと書き出してこんなもんでしょうか。

細かく書けばすごいボリュームになると思います。

 

 

 

…おおっ!ちょっとゲストハウスというものが見えてきたような気がします。

ここまではよくあるSWOT分析を「ゲストハウス」という大枠でやったようなものですね。

こんなふわっとしたメモ書きだけでも目の前の課題であったり、アピールポイントであったり、協力が必要な人や業界などが見えてくるものです。 

これにさらにより細かい地域的な特色や、私と夫の強み弱み、希望やこだわりなどを考慮していくと「満たすべきものを満たしており」「しかも差別化できて」「多くのお客さんに満足してもらえそうな」「私たちもやっていて楽しい」ゲストハウスができそうになってきました。(ここからの分析はヒ・ミ・ツ♡)

 

個人事業とはいえ、生活がかかっているので夫とあーだこーだ言いながら事業計画を書きましたが、誰を幸せにしたいか、何をもって幸せにできるか、といったおおもとの部分が見えなくなると

「らくしておかねほしい」

みたいな、実に短絡的で魅力のないものになりがちです。

事業計画を作るにあたって収支の見通しはもちろん重要なのですが、それだけでは生業にはなりそうもありません。

 

考えることはしっかり考えて、あとは手足を動かして、がんばれがんばれ私と夫!!

どんなゲストハウスができるか、お楽しみに。