大三島に移住した某薬剤師の脳みその中

生き物らしく生きたい!と思い大三島へ。毎日が冒険。

果たして誰が好きなのか

ジャズというものに初めて触れたのは高校時代。

当時、NHK FMで「セッション505」というラジオ番組(DJ 小川もこ氏)があって、たまたま聴いてすっかり虜になり、毎週聴いていました。

よく分からないけれど、かっこいい。

それが第一印象。

 

たまたま高校の吹奏楽の大先輩方が社会人バンドをやっていて、年の離れた後輩として随分かわいがってもらいました。

ビッグバンドのダイナミクスに触れて、さらにジャズ面白くなる。

 

大学は吹奏楽・クラシックの世界から離れてジャズばかり。

とはいえ、理論も知らない、マジ物のプロバンドの演奏なんて聞いたことない、Youtubeなどもそんなに聴きあさっていない‥というお粗末ぶり。

よい仲間に恵まれ、のびのびといろいろな場面で吹かせてもらえたのは本当に幸せでした。

 

就職して、しばらく楽器とはさよなら。

でも、ジャズはさらに好きになりました。

というのも、営業車であちこちうろうろする際、音楽やラジオはちょっとした楽しみで。

ポップスも聞いていましたが、昔から歌詞には興味がなく(というか、何度聞いても、覚えようとしても、耳に入ってこない、覚えられない。)、音として聞いている上で「ビリッ」とくるサウンドはジャジーなコード進行だったり。

平たく言うとノンダイアトニックにキュンとする。

クロマチックな動きにドキッとする。

テンションさんいらっしゃい。

 

移住・転職後はぼちぼち理論を勉強してみたり、楽器もたまには触ったり。

でも、ワタクシ、カテゴリー的にはただのワーキングママなのでね、基本的には吹くより聴くです。

そして、いつぞや通った道を我が物顔で突っ走る2歳の珍獣と、いずれ行く道を先導する老いた人・病める人と日々過ごしていますので、自分の道はどこなのかしら、と迷うほど基本疲れています…といった状況で、好みが変わってきたように感じております。

 

 

ジャズトランぺッターあるあるですが、以前はハードパップ(ジャズの一時代を築いた演奏スタイル。たぶん、多くの人がイメージするいわゆるジャズ。)がやっぱりかっこいいっしょ、と思っていたんですよね。

エスニックな香り、熱気と鋭利な感性、メロディアスなでキャッチーなテーマ。

例えるならばカレー。

美味しいに決まっている。

たまに口馴れないスパイスや、調理者の好みでむせることもあるけれど。

 

でも、胃が弱ってくると、ちょっとしんどい。

 

こうなってくると、いままで陳腐に聞こえていたものが無性に恋しくなってくる。

おだやかなBossa Novaもいい。

日本人が愛してやまないピアノトリオ系もいいかも。

オシャレギターとかもいいよね。

だいたいスタバでかかっているようなやつ。

結局、日本人はだいたいみんな疲れているんじゃないかな。

ああいうのが流れているってことは、さ。

 

胃がおちつくと、たまに摘まみたいものもある。

コンテンポラリー系。

ジャンル=プレイヤー系。

ガチムキ野郎の運動会的なフルバンド。

 

で。

ですよ。

 

そうやってあれを聴きたい、やっぱりこれが聴きたい、というのを何度も何度も繰り返してきているうちに、「この人はいつでも好き」というものがやっと見えてきて…

 

誰でしょう。

 

恐ろしいですよ。

 

ほんと。

 

 

 

Ella Jane Fitzgerald

 

 

 

なんと、ね。

 

歌詞なんてこれっぽちも分かってないのに。

 

ボーカル曲が特別好きなわけでもないのに。

 

なんならインストのほうが好きなのに。

 

若いころのはつらつとしたハイトーンで元気をもらい

円熟期の有無を言わせぬ説得力にたじろぎ

晩年らへんのほろ苦さに涙する

 

録画、録音技術が未熟な時期のものなんて、聞くに堪えない音質だったりするんですよ。

でも、すごい。

聞けてよかった、逢えてよかった。

 

まあ、共演しているプレイヤーもさすがThe First Lady of Song だけあって、皆The President of Song レベルなんですけれどね。

特にJoe Pass

一流ミュージシャン同士、お互いの信頼あってこその演奏。

 

Ellaは例えるならば、チョコレート。

甘いけれど、ほろ苦い。

 

 

歳をとったらカレーはなくても生きていける気がします。

でも、歳をとってもチョコレートはないと生きていけない気がします。

主観的な話ですけれど。

 

 

また、歳をとって、いろんなことを経験したら、こういった感覚も変わるんでしょうね。

10年後、私は何が好きと言っているかな。

 

 

それにしても、好きなミュージシャン、プレイヤーの名前を挙げるというのは非常に難しいものです。

先にも述べた通り、基本「ちょっとジャズ寄りの音楽が好きめのオバハン」という状況なので、「好き」というほど聞き込んだり研究しているわけでもないし、仮に「好き」といえるほど好きなミュージシャン、プレイヤーであっても、「この曲は嫌い」とかいうのも当然あるので、その辺は悪しからず。

普通にBTSとか好きだし、ヒゲダンとかKing Gnuとか星野源とか聴いちゃうオバハンですからね。