大三島に移住した某薬剤師の脳みその中

生き物らしく生きたい!と思い大三島へ。毎日が冒険。

古くてあたらしいお勉強

薬剤師たるもの、薬の勉強はして当然ですが、どうもとっつきにくい分野はどうしてもあるものです。

 

調剤薬局勤務なので、注射、点滴、ケモ(抗がん剤) などはホントに難しい…。

やはりこの辺りは病院薬剤師のほうが圧倒的に詳しく、よく勉強されています。

 

その代わり、日常の薬、外来で処方される薬は我々、調剤薬局薬剤師の出番です。

併用の可否、日常生活の注意点、実際の服用状況、副作用など、日々勉強させてもらっています。

 

…だけれど…それでもなんだかよく分からないところ…それが漢方です。

かなりの処方量があるにもかかわらず、なかなか理解できない、そもそも考え方がよく分からない…そんなモヤモヤを抱えて生活をしていたわけです。

 

どうせやるなら基礎から、と思い、最近は五行思想からやり直しています。

 

漢方に対して、なんだか占いのような胡散臭さを昔から感じていました。

今でも多少感じています。

 

それでも、少しずつ学ぶうちに、漢方って究極の実学なんだなぁ…と感心している自分もいます。

解剖学や薬理学、化学などがなんにも分からなかった時代、その時代のトップレベルの勘と知識の持ち主が何代も何代にもわたって実験と検証を重ね、あーじゃこーじゃとウンチクをこねくり回して、それなりに理論にまとめていったわけですから、当然といえば当然ではあります。

 

西洋医学をメインで学んでいると、こういう理論の立て方は新鮮に感じますが、原始の科学を見るようで興味深いものです。

 

これが全てだとは思っていませんが、漢方を知ることで新しい世界が開けそうなのでしばらく気合い入れて勉強してみます。

 

生き物らしく、自然の中で生きる上で、こういう知識はどこかで役に立ちそうですしね。

何事もトライ、トライ!

夜のお茶会

我が家ではお茶やお菓子の研究と称して、晩御飯の後にお茶会になることが多いです。

 

本日は…

 

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前田園の嬉野茶とこの前大三島に遊びに来てくれた友人がくれた石川のお土産の葛饅頭

 

器の取り合わせが泣ける程アンバランスだけれど、味は素敵!!

 

夏はやっぱり和菓子かなぁ?

アイスクリームやシャーベット、ゼリーなんかも素敵だけれど。

 

そうそう、そういえば和菓子と紅茶や烏龍茶ってけっこう合うんですよ。

ヌワラエリヤと上生菓子、ウバとカリントウ、凍頂烏龍茶落雁…えっ?!って組み合わせに思いがけない美味しさがあったりします。

深蒸煎茶とチョコレート、ほうじ茶と杏仁豆腐…こんなのも合いますね。

 

奥が深いお茶の世界、育てるのは夫さんですが、楽しみ方の研究は私も頑張ります!

夏だっ!

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我が家の放ったらかしの庭でも野菜がとれだしました。

すっかり夏です。

 

 黒豆の枝豆が抜群に美味いです。

味が濃い!

本末転倒な表現になりますが、豆乳のような濃さ!!

 

トウモロコシは畑で違って30秒後には熱湯にポイ。

こんなに野菜って甘かったのか!!と感動します。

ちょっと収穫が未熟すぎましたが、それでも甘くてとても美味しかったです。

 

インゲンやモロッコ豆も美味しいですね。

いっぱいできて嬉しいし!

 

ウチなんてそれぞれ数本しか植えてないし、放ったらかしだし、キチンとのキの字も知らないような状態ですが、それでもこれだけ楽しめるので幸せなものです。

 

もう少し綺麗な野菜を作りたいなとは思いますが、素人の週末キッチンガーデンではちょっと厳しい…。

一日が24時間では足りない!あと倍ぐらい欲しい!!

あったかおふろ

過去にも書きましたが、家のお風呂がいささか貧弱なので毎日マーレグラッシア大三島という温浴施設に通っています。

 

しかし、先週末は大阪にライブしに帰っており、しかも昨日はしまなみ海道の事故で札止めまでに大三島に帰島できず、ここ数日お風呂に行けなかったわけです。

 

(ちなみに昨日は心優しい島の仲間の家のお風呂を借りました。急にお願いしたのに快諾してくれてありがとう。)

 

ひさしぶりにお風呂に行ったら、いつものメンバー達から口々に

 

「しばらくおらんかったねぇ」

「どうしたん?」

「見かけんかったねぇ、忙しかった??」

 

なんて言われるじゃないですか。

 

私、こういうところが本当に好きです。

やっぱりホームは大三島です。

たったの一年しか住んでないのに。

 

お風呂は貴重な情報交換の場です。

そして、島のお姉様方の話は面白い!

いろいろ苦労されているし、本当にいろいろ知ってるし、タフだし、なんでもやっちゃうし、ちょっと足腰は痛くとも心が元気!!

 

おふろであったかくなるのは身体だけではないのです。

いつの間にか島の一年生、薬剤師一年生

引っ越しをしてきたのが昨年の今頃、薬剤師として仕事をはじめたのが7月、ちょうど大三島一年生、薬剤師一年生になります。

 

サラッと手帳を見返してみると…

 

6月

お世話になった前の会社の人たち、お客さんたちとお別れ。今思えば、ほんとうにあたたかく送り出してもらったなぁ…。

引っ越し、家の掃除。

 

7月

薬剤師生活スタート。

島の夏を満喫。

お茶栽培、ゲストハウス計画など、夫氏といろいろ夢を膨らませていく。

 

8月、9月

仕事も少し慣れてきて、島の知り合いも増えてくる。

狩猟免許(わな)取得。

お祭りに参加、地区の方たちとも交流が増えて、より島が好きになる。

茶畑にしていい耕作放棄地の話をもらう。

 

10月、11月

休日診療の薬局当番なども入り始める。一方、凡ミスが増えだす。

 

12月、1月

はじめての年越し。久々に酔っ払う。島の友人らと親しい時間を過ごして感慨もひとしお。

一方、島の濃厚な人付き合いの重さ、閉鎖的な空気を感じ取ったりして、何やらモヤモヤしたり。

茶畑予定地を伐採。

 

2月、3月

仕事のミスや頭打ち感を解決すべく、改めて勉強をし始める。

茶畑予定地を伐採…なかなか先が見えない。

ゲストハウス計画に少し進展あり。

 

4月、5月

急に仕事のミスが減り、業務を見渡せるようになってくる。

服薬指導もレベルアップした感覚あり。

やっと茶を植える。

 

6月

薬剤師の仕事が面白く感じる。

ゲストハウス計画をなんとか進めるべく夫氏といろいろ相談。

茶は今の所育っている様子。

 

 

 

…実に盛り沢山です。

 

なんとか1年間楽しく生活できたのは、ひとえに、叱咤激励してくれる人たちのおかげです。

ホント、結局、人は人に支えられてしか生きられないんだなぁ、と都会を離れて余計に思うようになりました。

最近は、今までいろんな人に失礼をはたらいてきたことをいまさら後悔したりしています。

やっと少し人間が大人になってきたのでしょうか。

 

また次の1年間も「日本一ワイルドな薬剤師になること」を目標に頑張ろうと思います。

「ワイルド」の意味は「生き物らしく生きること」「自然や人とのつながりをありがたく受け止めて感謝すること」だと思っています。

 

何卒みなさまよろしくお願いいたします。

 

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↑ そのへんに生えているビワをむしってきたのでコンポートにしてみました。野生のものなので見た目は悪いけれど、味は抜群です。何にしようか考えるのが楽しすぎます。

 

いまのところ

*ビワの豆乳杏仁豆腐

*レアチーズケーキ、ビワゼリー乗せ

*ビワの大福

*ビワのラフパフペイストリー (パイ生地) 包み

*フルーツケーキ

タルトタタン風ビワタルト

*ビワ羊羹

などが頭に浮かんでいます。

 

いざレシピを練って作り出すと失敗ばかりで心が折れそうになることもあるのですが、うまく出来ると本当に幸せになるのでお菓子作りって楽しいです。

 

島の生き物 〜ミサゴ〜

この前の休日に少し島の周りをドライブした際見つけました。

 

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↑ 写真は小さくて分かりにくいですが、ミサゴです。大きな魚を捕まえたところ。

 

魚を主に食べる猛禽類で、腹は白と黒の2色、トレードマークの目を通る黒い線がオシャレです。

トンビと大きさは似ていますが尻尾の形はトンビがビシッと三角形、ミサゴは丸い形です。

トンビはくるくると回りながら滑空しますが、ミサゴはわりと直線的に飛びます。

魚を見つけると一点でホバリングをして狙いを定め、急降下して水に飛び込んでいきます。

トンビは一点でホバリングするような飛び方はできないので慣れてくればすぐに見分けがつきます。

 

ミサゴの脚は数ある鳥の中でも特殊なもので、可変対趾足 ( かへんたいしそく ) を持ちます。

これは第4趾が前にも後にも動く構造のことを指し、フクロウの仲間とミサゴのみに見られます。

つるつるとすべる魚をしっかりと掴むための進化なのでしょう。

 

結構派手に水に突っ込んで狩りをするので迫力があります。

この個体を見つけた時も思いっきり海に突っ込んで、見事大きな魚を捕まえたところでした。

 

昔から魚鷹 (うおたか) と呼ばれて親しまれてきた鳥ですが、準絶滅危惧(NT): 現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種、ということになっています。

 

環境の変化で絶滅する種がいるのは仕方がないことだと思いますが、ミサゴのように優雅で美しい生き物は今後も繁栄してほしいなぁ、と思ってしまうのは私の勝手な欲目でしょうね。

島の生き物 〜ニホンマムシ〜

久しぶりの生き物紹介コーナー、写真が撮れたら不定期UPしていこうと思います。

 

今日は家の周りの小鳥が騒がしいなぁ、と思ったらマムシがいました。

 

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↑ 茂みから睨みをきかせていました。

 

ヘビは毒があるから怖い!と言われますが、実は日本にいる毒ヘビは主に2種のみ、その他は無毒です。(沖縄諸島は事情が異なりますが。)

…ということは、その2種のみ覚えてしまえば、山歩きや田舎歩きも心配なし!!

 

覚えておくべき2種はこのニホンマムシ Gloydius blomhoffii 、そしてヤマカガシ Rhabdophis tigrinus です。

 

マムシは頭が扁平で、上から見ると三角形のような形をしています。身体は寸胴で短い印象を受けます。

 

分類はハブと同じクサリヘビ科です。

毒はハブよりマムシの方が強いですが、ハブはマムシより気が荒い上に毒の量がハンパなく多いのでマムシの方が安全…注意することに越したことはないですですけれどね。

 

マムシは国内のヘビの中では小型、つまり敵が多いのでわりと臆病です。

急に踏んづけられたり追い詰められたりしない限りは噛みつくことはありません。

 

噛み付かれた際はほぼ間違いなく毒液が注入されているので1秒でも早く病院へ、素人ができる有効な対処は毒の吸い出し以外にありません。 (毒の吸い出しも口腔内に傷があればアウトなので推奨できません。)

 ヤマカガシならば毒牙が奥歯なので「噛まれたけれど大丈夫だった」ということもあるのですが、マムシは毒牙が前歯なので諦めましょう。

 

このあたりではマムシのことをハミと言いますが、これは「食む (咬む)」を由来とする言葉でしょう。

母校のある香川もそうでしたが、四国の方言には比較的古い言葉があまり姿を変えずに残っています。

 

「食む」といえば万葉集山上憶良の一句を思い出します。

 

瓜食めば子ども思ほゆ

栗食めばまして偲はゆ

いづくより来りしものそ

目交にもとなかかりて安眠しなさぬ

 

万葉集は好きでよく解説集を読んだものです。

おおらかで、素直な句調が好ましく感じます。

 

写真のマムシはしばらくこちらを警戒したあと、静かに茂みの奥に消えて行きました。

写真を撮らせてくれてありがとう、元気で過ごせよ〜!!